日々ラノベを読む珈琲好き

ラノベの感想を書き連ねたりします。そうでなかったりもします。

友達の妹が俺にだけウザい 感想

どうも、りゃおです

『友達の妹が俺にだけウザい』の感想です

おっぱいの大きな(重要)友達の妹がメインヒロインのドタバタラブコメですね

友達の妹が俺にだけウザい (GA文庫)

友達の妹が俺にだけウザい (GA文庫)

 

 あらすじ

ウザかわJKが(頼んでないのに)寄ってくる!
悶絶必至のいちゃウザ青春ラブコメ!!


馴れ合い無用、彼女不要、友達は真に価値ある1人だけ。青春の一切を「非効率」と切って捨てる俺・大星明照の部屋に入り浸るやつがいる。妹でも友達でもない。ウザさ極まる面倒な後輩。親友の妹、小日向彩羽。
「セーンパイ、デートしよーーっ! ……とか言われると思いましたー?」
血管にエナジードリンクが流れてそうなコイツは、ベッドを占拠したり、寸止め色仕掛けをしてきたりと、やたらと俺にウザ絡みしてきやがる。なのに、どいつもこいつも羨ましそうに見てくるのはどういうワケだ? と思ったら彩羽のやつ、外では明るく清楚な優等生として大人気らしい。
おいおい……だったら、どうしてお前は俺にだけウザいんだよ。

感想

(自称)平均的な男子生徒であり効率厨である主人公が、「嫌がらせをするより素直に好意を伝えた方が効率的。故に好きな相手には意地悪をしたくなるなど都市伝説である」という理論を徹底

友達の妹である彩羽のウザ絡みや、偽カップルを演じることになった相手の真白の態度を「俺の周りの女はことごとく俺のことが嫌いだ」と、鈍感系極まる結論に結びつけてしまいます

おっぱい押し付けられて、「そこまで俺のことが大嫌いなのか」ってなんでそうなる!(笑)

 

そんなあまりにも拗らせすぎている主人公・アキですが、効率厨と自称している割には人一倍お節介なかっこいい一面もあります

真白の問題に対して、理由については追求せずに協力を約束するところは男前でした。

 

アキの周囲のキャラクター、彩羽、真白、5階同盟のメンツ皆のキャラが立っていて、それぞれ分かりやすい個性なのは良いです

アキの親友であるオズは少しキャラが弱いかなとも思いましたが、主人公であるアキとその親友であるオズが互いに鈍感系主人公体質なのは新鮮でおもしろいです

 

ただ、登場人物それぞれのキャラがなまじ深掘りされているせいでメインヒロインであるはずの彩羽が「ウザ絡みしてくる後輩」という印象しか残らなかった感があります

一応彩羽がアキに好意を寄せる理由もちゃんと説明されているのですが、どちらかというと真白の方がメインにストーリーが進んでいくのでおまけ感が・・・

 

とはいえクライマックスは大活躍でした

「三下」の啖呵はスカッとしました

勧善懲悪ってシンプルながらもカタルシスとしては効果的ですね

彼女がアキの部屋に入り浸る理由についても意外性があったのでよかったです

せっかくの魅力的なキャラなので、1巻目であると割り切って他のキャラクターの説明量を減らして彩羽に焦点を当てる量を増やしてもよかったかなと

各章の登場人物ごとに話題があっちこっちに散ってしまい、「アキはお節介な優しいやつ」ということ以外はいまいち印象に残りづらかったのがもったいないなと思いました


要所要所の言葉選びは面白いものが多くて楽しめました

真白の「汚い口で名前を呼ばないで。神格が落ちる」とかいいですね

美少女に言われてみたい

あと「性欲パリピモンスター」って語感が好きです(笑)

というかこの社長が一番キャラ立ってたかもしれない(笑)

 

まだまだ各キャラの背景で説明されていない点があるので続巻の行き先に期待です

ヒキにぶん投げられた爆弾もかなりデカいので面白い展開になりそうです

ってまた真白メインになりそうじゃないっすか!

頑張れ彩羽

弱キャラ友崎くん Lv.7 感想

感動で咽び泣いています。りゃおです

弱キャラ友崎くん Lv.7』です

 

まず先に

7巻をまだ読んでいない人は

買って、読むのです

そして絶対に、紙の本を買うのです

 あらすじ

そして、舞台の幕が上がる。

掛けられた言葉。誠実の意味。向き合った、彼女の気持ち。

俺をとりまく環境の変化は劇的で。
けれど、そんなことはお構いなしに時間は進んでいく。

文化祭の準備もいよいよ佳境。
演劇の練習が、ついに始まった。

登場人物と演者のイメージを近づけるため、俺と菊池さんは「日南の過去」を取材することになるのだが……?

俺の、俺たちの―――。
一度きりの文化祭が、幕を開ける。

 感想

菊池さんの気持ち、カッコよすぎる友崎くん

やったぜ

本当に、泣きそうです

シリーズ最高の読後感です

クライマックスのインパクトが大きすぎて、読んだ後しばらく叫びたくて仕方ありませんでした

 

素晴らしいシーンばかりでしたが、強いて一番を上げるとしたら、菊池さんが友崎くんの「なんで」に対して答えるシーンです

はじめは静かにぽつぽつと語っていた菊池さんが、「―でも!」を境に一気に感情を爆発させるところ

あの内気でおとなしい菊池さんとしては珍しくストレートに、悲鳴ともいえるような感情の吐露です

これまでは顔を赤くしたりなど、少なくとも友崎くんに対する好感度は高いなと分かる程度でみみみほどはっきりとはしていませんでしたが、このシーンで

ああもう!こんなにも惹かれていたんだな!

と思わせられました

泣きながら語る菊池さんの姿を想像すると、平静を保てなくなりますね

あれ、菊池さん的には苦しくてしょうがない場面だと思いますが、読者としては希望の光が見えたみたいな興奮がありました

448ページ目をめくって一行目を見たときの鳥肌の立ちようは半端なかったです

 

そのあとの友崎くんの復活も、読んでいて心躍りまくりですよ

静かにそろそろと、でもしっかりと確実に起き上がっていく力強さが最高にかっこよかったです

 

そしてそのピークにあのセリフ、悶死しそう

さらにとどめにあのセリフ、悶死しました

 

いやいや、ほんとによくやってくれました

 

MVP・みみみ

みみみの頑張りがなかったらあのラストはありえませんでしたね

菊池さん推しですが、いや菊池さん推しだからこそ今回のMVPは間違いなくみみみであると断言できます

あの叫びは脳内ではっきりと音声が再生されるレベルの迫力でした

 

何度読み返しても、演劇直後のみみみ(と友崎くん)の心理状態を想像すると胸が痛くなります

あそこまで人のために動けますかね普通

みみみらしい全力疾走感がたまらないですね

 

行間の魔術

この7巻までは電子書籍で読んでいたのですが、今回は特装版を実物でほしかったので紙の本で買いました

そして気づく

自分があまりにももったいないことをしていたことに

 

屋久先生の文章の魅力については今更語るまでもないですが、紙の本で読んで思い知りました

ページ、さらには一行の使い方が芸術レベルでした

ぺらーってめくっていくと前半と後半の、特にクライマックスにかけて1ページにおける文字密度が目に見えて減っていきます

クライマックスは一行一行、こちらの心に深く刻み付けんばかりに丁寧に書かれています

字数も調整されているのか「字余り」のような余計な改行もなく、小説というより詩といった印象を受ける美しさです

 

電子書籍の拡大縮小による無慈悲な自動改行で、この素晴らしさが損なわれてしまうのはもったいない

ちょっと紙の本で全巻買いなおしてきます

 

 

さてさて、これから数カ月のあいだ8巻を待たなくてはいけないと考えるとつらいです

ただちょっと怖いですけどね

あと1/3ほど残っている(らしい)段階での菊池さんとの関係性

葵が友崎くんにとって、あるいは友崎くんが葵にとってどのような存在になるか

それによっては菊池さんが・・・

い、いや、信じてますし

 

あ、あと、7巻最後の挿絵

フライ先生、ほんとに素晴らしいです

弱キャラ友崎くん Lv.6.5 感想

弱キャラ友崎くん Lv.6.5 (ガガガ文庫)

弱キャラ友崎くん Lv.6.5 (ガガガ文庫)

 

最近「き」と打つと予測変換がほとんど「菊池さん○○」で埋まるようになりました

りゃおです

弱キャラ友崎くん Lv.6.5』です

色々な登場人物の視点による短編集です

あのキャラがどんなことを考えていたのかなどが分かって想像の幅が広がります

 

あらすじ

少女たちの想いを綴る、珠玉の短編集!

あの日、彼女はまだ完璧じゃなかった。
あの日、彼女は人前で初めて泣いた。
あの日、彼女はすべてを振り切るスピードが欲しかった。
あの日、彼女は――……。

日南、菊池さん、みなみ、優鈴――。
少女たちのあの日の想いが、ここに紐解かれる。

6巻と7巻をつなぐ彼女の気持ちも……?

弱キャラ友崎くん」の世界がさらに色づく、珠玉の短編集。

 

感想

まだ完璧になる前の葵の話

なんだかんだで共通の言語を持った友崎くんと葵のやりとりが見れる買い物の話

合宿の女子サイドの話や水沢のとある一面の話

色々ありますが、なかでも僕が好きなのは菊池さんとみみみの話です

 

どちらの話も、こう、頑張って生きてるんだーという感じがいいです

 

まずは菊池さんの中学時代のお話です

中学の制服も可愛いですね

 

本の中の世界は温かくて、主人公が頑張ってるとこっちも頑張れる気がしてきて

でもやっぱり現実はなかなか厳しくて

そんな少し酸っぱくてチクリとくるのがなんとも言えない魅力でした

というかなんかもう完全に『弱キャラ』読んでる僕状態

現実つらい・・・

でも菊池さんが頑張ってるので僕も頑張ります

友崎くんたちとの関りでいつか菊池さんも夕日が見れることを期待しています

 

1巻でちらっとでた「猛禽の島とポポル」のあらすじが読めました

屋久先生、こういうのも書けるんですね・・・

こういう優しいお話は大好きです

ポポルが夕日を「見る」シーン

あれはそれまで仲間と過ごしてきた日々があるからこそですよね

独りぼっちだったころのポポルにあの説明だけ聞かせてもほとんど理解できないと思います

あきらめずに仲間を求め続けた努力のたまものですね

『弱キャラ』ってほんとにどこまでいっても努力だらけな作品ですね

心に火をつけられてしまう・・・

 

柔らかく、ゆったりとした菊池さんの話とは対照的に、みみみの方は疾走感があります

序盤は疾走というより迷走といった感じですが(実際迷ってるし)、後半は力強く駆け抜けています

と思ったら最後大暴走していますね(笑)

 

とにかく友崎くんのそばにいる女の子すべてに反応してしまうのが可愛いです

恋する乙女がどんどんポンコツ化していく(笑)

 

何かの特別じゃない、揺らがない軸があるわけでもない空っぽさに鬱々としていたみみみが、ひとつ「なにやらこれは自分にとって大事であるようだ」と気づきを得ます

数字だとか、周囲からの称賛だとか、そいういったものを置き去りにして自分自身をしっかり見据えることができるようになったようです

うむうむ、やはり元気なみみみが一番魅力的です

 

相変わらず風景描写がすばらしいです

みみみが夜の住宅街を走るシーンは、走り抜けるような軽くリズミカルな描写で映像も匂いも伝わってきます

この文章力が欲しい・・・

 

さてさてようやく次の7巻で最新刊に追いつけます

みみみの気持ちに向き合った友崎くんがどんなムーブを見せてくれるのか

楽しみです

 

弱キャラ友崎くん Lv.6 感想

弱キャラ友崎くん Lv.6 (ガガガ文庫)

弱キャラ友崎くん Lv.6 (ガガガ文庫)

 

 どうも、りゃおです

 『弱キャラ友崎くん Lv.6』です

いっきにラブコメ度がぶち上ってきましたよ!

 あらすじ

文化祭目前、さまざまな思いが錯綜し――。

たまちゃんの問題がいったん解決し、文化祭を目前に控えた11月。

俺、友崎文也は日南との会議を再開し、また課題にとりくむ日々を送っている。
文化祭に積極的に関わりながら、集団での立ち位置を確立していくのがこれからの目標だ。

そんなとき、日南が俺に尋ねる。

「――あなたは、誰が好きなの?」

それは、俺がひたすら保留にしてきたこと。
「三年に進級するまでに彼女をつくる」という目標に向けて、避けては通れない問い。

日南は言う。誰を選ぶのかと。

けど、俺に誰かを選ぶ権利なんてあるのだろうか?
成長してきた実感はあるけれど、それでも、心の奥底で俺の弱キャラ精神が言うのだ。

――選ばれるはずのない俺が、誰かを選ぶなんておこがましい、と。

各賞総ナメの大ヒット人生攻略ラブコメ、待望の第6巻登場!

感想

みみみの大攻勢

みみみーーー!!!!

って感じでしたね

思ったよりも早く攻勢に出てきました

 

まあ、あんだけ友崎くんの周りに他の女子の気配があれば焦りますよね

しかもその中に菊池さんがいますからね

慌てふためくのも全くもって仕方のないことでしょう

 

友崎くんのことをブレーンと呼ぶ割合が増えてますね

「自分だけの友崎の呼び方」として大事に使っているのか、

それとも友崎と呼ぶことがなんだか恥ずかしくて思わずブレーンと呼んでしまっているのか

なんにせよ、いちいち動揺を隠せない弱体化っぷりがとても可愛らしいです

ブレーーーン!!

 

というか最近の友崎くんの行動をみみみ視点で想像すると

めちゃくちゃ胃が痛くなりますね

気が気じゃないでしょうよ

至る所に菊池さんの影が差すとか

 

ということで驚くほどの早業

先手必勝、一撃必殺

死角からの奇襲攻撃です

ずるいです

危うく撃墜されるところでした

 

ここですごいなと思ったのが、水沢によりしっかりと友崎くんの逃げ場をふさいだところです

曖昧な態度の女子と、鈍感ぶる主人公とでなあなあと時間を稼ぐ、ということを許さない強力な展開です

しかもあんな終わり方

続きが気になって感想書いてる時間すらもどかしいです

 

良妻賢母・水沢

いや男だけども

水沢の株が右肩あがりです

なんという気持ちのいいイケメンなんだ

友崎くんトゥンクしちゃってるじゃないですか

菊池さんとの会話のあとで友崎くんの様子のおかしさにただ一人気づくあたりがにくいです

しかも呼び出してまで確認するとかめっちゃ心配してくれてるじゃないですか

彼女かよ、いや彼氏か?

 

それにしても今回ホントにかっこよかったですね

カッコいい男がカッコイイ男の何たるかをカッコよく語っています

あんなに真摯にしかりつけてくれる人間なんてなかなか得難いですよ

僕の心にもグサグサ刺さりました

 

自分の目指すべき目標を定め前進し続けると思いきや、ここでまた自己の内面に向き合う形に

しみついた弱キャラ思考を水沢に叱責され、反省する友崎くん

「自分を卑下する」ってついついやってしまいますよね

 

さてさて、水沢からの教えと叱責から友崎くんがどう成長するか

女の子の前で力強く自信たっぷりに振舞う彼の姿が見れることを期待しています

 

小説と、力強さを見せた菊池さん

1巻から保留になっていた菊池さんの小説を読むという約束がここで絡んでくるとは!

文化祭との絡め方に鳥肌が立ちました

あと音量調整が効かない菊池さん可愛い

 

というかちらっと出た小説の内容自体ものすごく気になります

読んでみたい

 

菊池さんが勇気を出してクラス全体への関わりに足を踏み入れました

前巻から成長の兆しが見えていましたが、今回はかなり大きな前進です

友崎くんの依頼を受けて、という点は前回のたまちゃんの特訓の協力と同じです

しかし、今回はより強く"菊池さん自身の意思"を感じました

手を引かれてではなく、菊池さん自身の歩みで図書室からクラスへの一歩を踏み出しています

 

まだまだ友崎くんを介して、という非常にたどたどしいものではありますが

そんな菊池さんがかわいい

失礼しました

たどたどしくはありますが、配役が決まったあとの様子をみるに、早くも踏み出した成果を感じることができているようです

こういった小さな成功体験の積み重ねが自身につながっていくんですよね

そして自信がつけばより多くのことに挑戦する勇気が出てきます

当然、挑戦し続ける限り失敗もしますが、それこそ葵の言うように、失敗したときこそ経験値が溜まるわけです

頑張れ菊池さん

 

それにしてもいいですね、この友崎くんが菊池さんを守ってあげてる感

きっともう少しすれば自立して菊池さん自身の翼で自由に飛び回れるようになるのだと思いますが、もう少しこの状態を見ていたいです

頼むぞ、友崎くん

 

さて、続きが気になりすぎるのですがどうやら次の6.5巻は一旦メインの進行から外れた短編集のようです

主人公・友崎くんとは別の視点が見れるとのことなので楽しみです

弱キャラ友崎くん Lv.5 感想

 『弱キャラ友崎くん Lv.5』です

もう既刊全部読み切るまで止まりません

 

 あらすじ

強キャラの弟子ができました。

教室での一件を受けて、まさかの師弟関係と相成った俺とたまちゃん。
表情、姿勢、喋り方。
俺は師匠として、自分が『リア充』になるために重ねてきた努力とノウハウを、たまちゃんに伝えていく……が。
ここで問題が発生する。意外というかなんというか、たまちゃんは普通に“強キャラ”だったのだ。
ていうかむしろ、俺より強い可能性すらある。あれ? 師匠ってなんだっけ?
俺がやってきたやり方では、たまちゃんを変えることはできない。じゃあ、俺にできることって一体?
そんなとき、協力を買って出てくれたのは……意外な人物だった。
「――なにやら、お困りの様子かな?」
強力な仲間を得た俺たちは、一つのゴールへと、少しづつ進んでいく。
パーティを組めば、戦い方が変わる。戦い方が変われば、いままで倒せなかった敵だって、倒せるようになる。
それに俺だって、少しは役に立つようになってきた……はずだからな!
――『みみみを悲しませない』。
そんな、なによりも大切な目的に、辿り着いてみせる。
大切な目的のためなら、自分を変えてでも正面から戦う。
そのやり方はきっと、誰かさんに教えてもらったことなのだ。
――大人気人生攻略ラブコメ、待望の第5弾!

 

感想

みみみを悲しませたくないというたまちゃんの願いにより、葵から受けた教えを今度は人に伝えることになりました

人に教えることができるほどに葵の教えを咀嚼し、飲み込めている友崎くんの成長が見れます

しかしながら、たまちゃんと友崎くん、よく似たもの同士と言われますがリア充としての基礎値はたまちゃんの方が上

友崎くん一人では教えられることに限りがある、どうする?!

というところで、協力者が現れます

 

なんかこう、友崎くんを助けてくれるキャラがどんどん増えていく感じがすごくいいですね

これぞ成長物語の醍醐味といった感じです

 

5巻の構成として、たまちゃんが成長し前巻で溜まりに溜まったフラストレーションをクライマックスで一気に解消する、という予想通りの展開ではあります

ただ、序盤から中盤にかけてたまちゃんの成長や協力者の登場など、気分の上がる要素を散りばめることで4巻からのモヤモヤを引っ張り続け息苦しいということは防がれています

そしていくらか回復させたところで終盤に再度強力な負荷をかけ、反動で一気に解消という気持ちのいい流れですね

 

しかもこの解消の部分が2段構えになっているのが驚きでした

 

1段目の解消で今までの紺野に対して溜まっていた読者のヘイトを解消しつつ、それ自体がさらなるストレスになっている

そして2段目でそれすらも解消する必殺のカードを切ってすっきり、という構成です

 

ストーリーの上げ下げポイントの配置が絶妙なため、上がりすぎて飽きることも、下がりすぎて萎えることもなく読み進められるのはとても素晴らしいです

 

まあすっきりとは言いましたが、完全燃焼かと言われるとそうではないですね

ただこれは次巻以降の問題なので、今後の展開のキーポイントになりそうです

葵の闇、過去に焦点が当たるのはいつごろか

楽しみです

 

たまちゃんの成長過程

今回の件で成長したたまちゃん

しかし変化してなお”正しさ”までを曲げることなく、空気の魔物に屈することなく貫くところは貫き通します

しかも、以前にはなかった”しなやかさ”を伴って

 

そこに至るまでの修行パートのような期間でしたが、楽しく読めました

なんでも単刀直入にズバズバ言うたまちゃんと思ったことをそのまま口にする友崎くんの絡みだけあり、遠回りの一切ない会話がおもしろいです(笑)

この二人以外のキャラとの絡みも軽快で、「次は何が来る?」と楽しみになります

仲間っていいですね(2回目)

チーム友崎、いい響きです

 

菊池さん無双再び

天使ですね

 

天使な菊池さんが下界に降りて人々と交流する姿が拝めました

相変わらずの聖属性魔法で的確な助言を与えています

天使ですもんね、そりゃ迷える子羊導いちゃいますよ

 

頑張れ友崎くん

 

みみみ・・・?

きましたね

ようやくですよ

次巻でどうなることやら

弱キャラ友崎くん Lv.4 感想

弱キャラ友崎くん Lv.4』の感想です

文章が巧みですいすい読めてしまう 

 

 あらすじ

こんなの無理ゲー?弱キャラvs女王再び!

人生で一番濃密だった夏休みが終わり、2学期。
俺と日南は少しだけ関係性を変えながら、それでも一緒に人生攻略を続けている。
さて、2学期はじめのイベント、球技大会。
日南から出された新たな課題は「やる気のない紺野エリカにやる気を出させること」。紺野エリカといえば、あの旧校長室で啖呵をきって以来、まともに言葉も交わしていない。だってこわいし。
俺はクラス内の観察を通して、紺野エリカに通用する「武器」を探すが――?

ボス戦再び!? 大ブレイク中の人生攻略ラブコメ、待望の第4弾!

 感想

目指すべき目標がはっきりとし、葵とも和解

これまでとは少し違いはありますが、またリア充へ向けて課題をこなす日々が戻ってきました

・・・葵の小悪魔っぷりが増す一方ですね

 

これまでの課題と突発的なイベントを乗り越えてきたおかげで基礎能力は十分備わってきたと判断され、友崎くんの課題は次のステップに進みます

友崎くんが着実に成長していくのが見て取れるのが嬉しいですね

葵に課題を与えられて訓練 → 友崎くんの自主的な応用実戦

のサイクルを小さく多く回してくれるため、いわゆる修行パートのようなものがなくダレないようになっているのが見事です

 

なかでも中村グループに自然に受け入れられるなど、課題そのもののクリアだけでなく今まで積み上げたものによって実ったものが増えてきたのが大きいです

友崎くんが思わぬ成果に動揺しながらもうれしさを感じている姿が微笑ましいですね

最初からレベルマックスによる気持ちの良さもいいですが、僕は主人公が少しずつ成長していく姿を見るのが好みです

周囲の主人公を見る目が変わってくるのが楽しく、嬉しいんですよね

兄を毛嫌いしていた妹の態度が軟化していくのが分かりやすい指標でいいです(笑)


今回は今までとは異なり1巻完結のストーリーではなく、つなぎの巻となりました

球技大会を舞台とした話で、紺野エリカが存在感を露わにしてきます

その紺野に対して友崎くんがあの手この手で壁を乗り越えたと思ったらより大きな壁が現れるわけですが。。。

 

一つ思ったことが

 

ちと友崎くんのやり方が性格悪すぎたかな、と

 

確かに紺野を動かすという点ではとても有効な手段でしたが、状況を考えるに球技大会の後の展開を予想するのはそんなに難しいことではなかったのでは

誰だって機嫌が悪くなるであろうことが、ましてや女王・紺野とくれば状況がややこしくなるのは必然です

 

泉の非合理的ながらも結果的に理想に近い結果を引き寄せたことを称賛していた割には、紺野の件といい、たまちゃんへ提案しようとしたことといい、いささか相手の感情を無視した合理的にすぎる傾向があったように見えます

それでも相手の意見を尊重する姿勢はさすがですが

 

一方、葵の方が合理性に欠けた感情に振り回され気味な行動をとっているのが対照的で面白い状況でもあります

 

さて、いい感じに負のエネルギーが貯まりまくっていますが、これが次の5巻でどのように解放・昇華されるのかが楽しみです

 

周囲のキャラクター

相変わらず水沢いいやつすぎです

ある意味一番友崎くんの気持ちを理解している人物なのではないかと思うほどです

女房役かよ

 

竹井も中村と友崎くんの間の優秀な緩衝材の役を務めいていますね

いい感じに人間関係の歯車が噛み合ってきたように見えます

 

相変わらず女子が多い割には友崎くんがモテる気配が希薄(ないわけではない)ですが、まあ・・・

 

菊池さんがいれば十分ですよね

 

とはいえ次の巻でたまちゃんとみみみにフラグチャンスがありそうなので、頑張れ友崎くん!

弱キャラ友崎くん Lv.3 感想

表紙が菊池さんだよ!!!

失礼、取り乱しました

弱キャラ友崎くん Lv.3』の感想です

 

 

あらすじ

こんなの弱キャラの夏じゃねえ!

怒濤の一学期が終わり、夏休み。
薄々特訓漬けになる気はしていたが、日南葵というリア充モンスターは俺の予想のはるか先をいっていた。

「まあ簡単に説明するとね、優鈴と中村をくっつけようって合宿なのよ」

BBQからの川遊びからの男女お泊まり。まあ、リア充を絵に描いたようなイベントだなと思う。問題はただひとつ。そこに俺も参加するということである。なにこの圧倒的違和感。
男同士のトークも頑張れって日南の意図は分かるけど、中村となに話したらいいんだよ……。さらに、日南のスパルタは止まらない。

「この夏の目標は、『菊池さんと付き合うこと』ってところね」

いやいやいや、それもうほとんど最終目標だろ! 俺の夏休み、どうなっちゃうの!?
バイト、合宿、デート……弱キャラにあるまじき、充実した夏が始まる!!

このライトノベルがすごい!2017』で新作部門3位にランクインした超話題作、待望の続刊!! 弱キャラが挑む人生攻略論第3弾!

 感想

中村と泉をくっつけるための合宿

菊池さんと二人きりでのデート(!)

2つの大イベントを経て、いままでひたすら課題をこなしてきた友崎くんに迷いが生じます

 

少し前まではありえなかった、リア充の世界に触れて今までなかったものが見えてきた友崎くん

そんな彼が、迷い苦しんだのち一つの答えを見出す

熱いですね

1、2、3巻の中だとダントツで終盤の盛り上がり具合が激しかったです

読んでいる間に何度鳥肌が立ったことか

 

男子との絡み

水沢を起点として、友崎くんと中村たちの関わりが増えてきました

クレバーな立ち回りをする水沢や態度が軟化しつつある中村、ほぼ初登場ながらキャラを確立している竹井の3人との絡みです

女子と話すのとはまた別な緊張感がありつつ、男子同士だからこそのバカっぽいやり取りがいいですね

正直女子とのやり取りを見ているよりこちらの方がニヤニヤしながら読んでしまう(笑)

竹井可愛すぎか

 

それにしても水沢はほんとにいいやつですね

最初は何か企んで友崎くんに接触したのかと邪推していましたが、全くそんなことはありませんでした

スマートに気を回せるイケメンです

 

そんな彼にも何やら悩みが

自分というプレイヤーを一歩引いた目線から操作しているが故、本気で喜んだり悔しがったりできない

水沢が本気でものごとに取り組む友崎くんを眩しそうに見るのは、それが理由でした

 

たしかに何かに負けたときに泣いて悔しがる人を見ると、驚くと同時に羨ましく思います

それだけ自分にしっかり感情移入して本気で何かに取り組めるって、案外難しいことですよね

 

そして水沢が選んだ選択肢

友崎くんたちの影響を受けての水沢の宣言が、今度は友崎くんに大きな影響を与えるという構図がとても面白いです

 

友崎くんの心境の変化と選択

水沢の宣言と、相手の本質を的確に見抜く菊池さんの言葉を受けて生じた疑問と迷いに葛藤する友崎くん

そして葵の教えに対し異を唱えます

1巻では葵の教えを忠実に守り

2巻ではその教えをもって葵に挑戦しました

そして今回その教えの在り方について疑問を持ち、違うことを試しています

まさに「守破離」の「破」に来た段階です

順調に成長しているって感じがしますね

 

・・・とか思ったら、師・葵の方からの拒絶によりいきなり「離」にまで持っていかれてしまいました

2巻から垣間見えていた友崎くんと葵のあいだの価値観の違いがはっきりとした形です

 

葵に対して的確な言葉を持たない「弱キャラ」な自分を嘆くシーンは、いつになく徹底的に弱気で新鮮でした

いつもならゲーマー魂で逆に燃えるようなところなのですが・・・

 

友崎くんに突き付けられた選択肢

「仮面をつけ、合理的な生き方を目指す」か、「そのままの自分で本当にやりたいことをやる」か

 

苦しんでますね

めちゃくちゃ苦しんでます

 

自分で自分の考えが分からないときの不安は半端ないですよね

そもそも用意された答えなんてないから、自分で導き出すしかないわけですが・・・

 

そんな葛藤のすえ、友崎くんが葵に出した答えはある程度予想通り、そして期待通りのものでした

何とか葵を説得した後のあの雰囲気はたまらないですね

師であり戦友でありライバルであり

しびれます

 

菊池さん無双

天使かな?

私服が可愛らしいですね、至福です

LINEの返事が早かったり、映画のポスターや書店に並ぶ本に無邪気にはしゃぐ様子なんてもうほんとに可愛すぎです

花火大会の浴衣姿の描写の美しさもあり、妄想が爆発しました


もう登場するだけで嬉しい菊池さんが、友崎くんが答えを見出す決定的な考えを与えるという重要な役を担いました

彼女が「色」について語るシーンでは、比喩無しに全身に鳥肌が立ちました

友崎くんやたまちゃんとはまた違った形で、自分の思っていることを混じりけなく言葉にする菊池さんだからこそ響く言葉ですね

神懸かっています

あ、違う、天使か

 

というかここまで分析できるほど菊池さんが友崎くんを以前からよく見ていたとか悶えますね

こんな子に全肯定される友崎くんが羨ましいぜ

 

そして水沢に続いて菊池さんも友崎くんの変化に影響を受けている様子

彼女が自身にどんな変化を求めているのか気になるところです

 

描写の美しさ

たびたび出てくる風景・心情の描写がとても美しくて素敵でした

菊池さん専用の比喩表現だけでなく、砂利の感触で心情表現をしたり、映像が浮かび上がってくるような繊細で多彩な風景描写には惚れ惚れします

 

個人的に一番琴線に触れたのが

人がたくさん集まる場所というのはいつも、どこか賑やかで、どこか他人行儀で、どこか静かだ。

です

 

これを褒めるための語彙力が足りない・・・!

こういう細かい部分で引き込まれるのがこの作品の魅力の一つだと思います


さて、答えを見つけた友崎くんが今後どんな行動してどんな成長をするのか

だんだんと増えてきた登場人物の動向にも目が離せません

成田さんなんかいい動きしそうですね(笑)