日々ラノベを読む珈琲好き

ラノベの感想を書き連ねたりします。そうでなかったりもします。

弱キャラ友崎くん Lv.3 感想

表紙が菊池さんだよ!!!

失礼、取り乱しました

弱キャラ友崎くん Lv.3』の感想です

 

 

あらすじ

こんなの弱キャラの夏じゃねえ!

怒濤の一学期が終わり、夏休み。
薄々特訓漬けになる気はしていたが、日南葵というリア充モンスターは俺の予想のはるか先をいっていた。

「まあ簡単に説明するとね、優鈴と中村をくっつけようって合宿なのよ」

BBQからの川遊びからの男女お泊まり。まあ、リア充を絵に描いたようなイベントだなと思う。問題はただひとつ。そこに俺も参加するということである。なにこの圧倒的違和感。
男同士のトークも頑張れって日南の意図は分かるけど、中村となに話したらいいんだよ……。さらに、日南のスパルタは止まらない。

「この夏の目標は、『菊池さんと付き合うこと』ってところね」

いやいやいや、それもうほとんど最終目標だろ! 俺の夏休み、どうなっちゃうの!?
バイト、合宿、デート……弱キャラにあるまじき、充実した夏が始まる!!

このライトノベルがすごい!2017』で新作部門3位にランクインした超話題作、待望の続刊!! 弱キャラが挑む人生攻略論第3弾!

 感想

中村と泉をくっつけるための合宿

菊池さんと二人きりでのデート(!)

2つの大イベントを経て、いままでひたすら課題をこなしてきた友崎くんに迷いが生じます

 

少し前まではありえなかった、リア充の世界に触れて今までなかったものが見えてきた友崎くん

そんな彼が、迷い苦しんだのち一つの答えを見出す

熱いですね

1、2、3巻の中だとダントツで終盤の盛り上がり具合が激しかったです

読んでいる間に何度鳥肌が立ったことか

 

男子との絡み

水沢を起点として、友崎くんと中村たちの関わりが増えてきました

クレバーな立ち回りをする水沢や態度が軟化しつつある中村、ほぼ初登場ながらキャラを確立している竹井の3人との絡みです

女子と話すのとはまた別な緊張感がありつつ、男子同士だからこそのバカっぽいやり取りがいいですね

正直女子とのやり取りを見ているよりこちらの方がニヤニヤしながら読んでしまう(笑)

竹井可愛すぎか

 

それにしても水沢はほんとにいいやつですね

最初は何か企んで友崎くんに接触したのかと邪推していましたが、全くそんなことはありませんでした

スマートに気を回せるイケメンです

 

そんな彼にも何やら悩みが

自分というプレイヤーを一歩引いた目線から操作しているが故、本気で喜んだり悔しがったりできない

水沢が本気でものごとに取り組む友崎くんを眩しそうに見るのは、それが理由でした

 

たしかに何かに負けたときに泣いて悔しがる人を見ると、驚くと同時に羨ましく思います

それだけ自分にしっかり感情移入して本気で何かに取り組めるって、案外難しいことですよね

 

そして水沢が選んだ選択肢

友崎くんたちの影響を受けての水沢の宣言が、今度は友崎くんに大きな影響を与えるという構図がとても面白いです

 

友崎くんの心境の変化と選択

水沢の宣言と、相手の本質を的確に見抜く菊池さんの言葉を受けて生じた疑問と迷いに葛藤する友崎くん

そして葵の教えに対し異を唱えます

1巻では葵の教えを忠実に守り

2巻ではその教えをもって葵に挑戦しました

そして今回その教えの在り方について疑問を持ち、違うことを試しています

まさに「守破離」の「破」に来た段階です

順調に成長しているって感じがしますね

 

・・・とか思ったら、師・葵の方からの拒絶によりいきなり「離」にまで持っていかれてしまいました

2巻から垣間見えていた友崎くんと葵のあいだの価値観の違いがはっきりとした形です

 

葵に対して的確な言葉を持たない「弱キャラ」な自分を嘆くシーンは、いつになく徹底的に弱気で新鮮でした

いつもならゲーマー魂で逆に燃えるようなところなのですが・・・

 

友崎くんに突き付けられた選択肢

「仮面をつけ、合理的な生き方を目指す」か、「そのままの自分で本当にやりたいことをやる」か

 

苦しんでますね

めちゃくちゃ苦しんでます

 

自分で自分の考えが分からないときの不安は半端ないですよね

そもそも用意された答えなんてないから、自分で導き出すしかないわけですが・・・

 

そんな葛藤のすえ、友崎くんが葵に出した答えはある程度予想通り、そして期待通りのものでした

何とか葵を説得した後のあの雰囲気はたまらないですね

師であり戦友でありライバルであり

しびれます

 

菊池さん無双

天使かな?

私服が可愛らしいですね、至福です

LINEの返事が早かったり、映画のポスターや書店に並ぶ本に無邪気にはしゃぐ様子なんてもうほんとに可愛すぎです

花火大会の浴衣姿の描写の美しさもあり、妄想が爆発しました


もう登場するだけで嬉しい菊池さんが、友崎くんが答えを見出す決定的な考えを与えるという重要な役を担いました

彼女が「色」について語るシーンでは、比喩無しに全身に鳥肌が立ちました

友崎くんやたまちゃんとはまた違った形で、自分の思っていることを混じりけなく言葉にする菊池さんだからこそ響く言葉ですね

神懸かっています

あ、違う、天使か

 

というかここまで分析できるほど菊池さんが友崎くんを以前からよく見ていたとか悶えますね

こんな子に全肯定される友崎くんが羨ましいぜ

 

そして水沢に続いて菊池さんも友崎くんの変化に影響を受けている様子

彼女が自身にどんな変化を求めているのか気になるところです

 

描写の美しさ

たびたび出てくる風景・心情の描写がとても美しくて素敵でした

菊池さん専用の比喩表現だけでなく、砂利の感触で心情表現をしたり、映像が浮かび上がってくるような繊細で多彩な風景描写には惚れ惚れします

 

個人的に一番琴線に触れたのが

人がたくさん集まる場所というのはいつも、どこか賑やかで、どこか他人行儀で、どこか静かだ。

です

 

これを褒めるための語彙力が足りない・・・!

こういう細かい部分で引き込まれるのがこの作品の魅力の一つだと思います


さて、答えを見つけた友崎くんが今後どんな行動してどんな成長をするのか

だんだんと増えてきた登場人物の動向にも目が離せません

成田さんなんかいい動きしそうですね(笑)