錆喰いビスコ 感想
令和になって初の記事です、りゃおです
『錆喰いビスコ』の感想です
『このライトノベルがすごい!2019』で見事1位に輝いた作品ですね
前から読もう読もうと思っていたのですがついに平和が終わってしまっていました
- 作者: 瘤久保慎司,mocha
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2018/04/09
- メディア: Kindle版
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あらすじ
すべてを錆つかせ、人類を死の脅威に陥れる《錆び風》の中を駆け抜ける、疾風無頼の「キノコ守り」赤星ビスコ。
彼は、師匠を救うための霊薬キノコ《錆喰い》を求め旅をしていた。
美貌の少年医師・ミロを相棒に、波乱の冒険へ飛び出すビスコ。
行く手に広がる埼玉鉄砂漠、文明を滅ぼした防衛兵器の遺構にできた街、大蛸の巣くう地下鉄の廃線――。
過酷な道中で次々に迫る脅威を、ミロの知恵の閃きと、ビスコ必中のキノコ矢が貫く! しかし、その先には邪悪な県知事の奸計が――。
愛する人を救うため、強弓が撃ち抜く冒険ファンタジー!
感想
まるでアニメ映画のよう
読んでいる途中で気づいたのが、この作品、ものすごい勢いで脳内で映像が再生されます
なんだかもう脳内シアターでアニメ映画が上映されているがごとくキャラクターがガンガン動きます
赤岸Kさんのキャラクターやmochaさんの世界観のイラストにより基本イメージがしっかりしているというのはもちろんあります
そのうえでさらに、しっかりと練られた設定や登場人物それぞれしっかりと個性があり活き活きしていること
加えて戦闘シーンではスピード感のある描写と、適度に差込まれる擬音語により臨場感溢れるものになっていること
この2点により「こんな感じの景色かな?」「このキャラならこんな動きをしそうだ」とシーンの妄想が捗るのだと思います
特に登場人物が素晴らしく活き活きしています
メインの登場人物は6人(+1匹)ですが、さきほども言った通り、それぞれキャラがしっかりと立っています
キャラそれぞれの色々な”愛”のあり方がしっかりと反映されているのがいいですね
ただ意外にも、作中で特に各キャラの背景を深く掘り下げたりはしていません
チラリと過去の話をする程度です
それでも彼らの言動・行動が全てそれぞれのイメージに即したものに一貫しているため、とくに深い説明がなくとも「こいつはこういうキャラなんだな」という意識で読み進めることができました
基本的に振る舞いが一貫しているため、序盤と終盤の間に何かあって意識に変化があったときに違いがはっきりと分かるのがいいです
ミロなんかは作中で精神的にも技術的にもどんどん成長していくので、序盤と終盤で驚くほどの違いが見れます
熱い展開の欲張りセット
成長、援軍、復活、覚醒、連携などゲームや少年漫画の熱い展開がこれまでもかと詰め込まれています
それでいて話が散らばるわけでもなく、それぞれがうまく一つのゴールにまとめあげられているため、クライマックスの大盛り上がりに向けて駆け抜けていく感じが爽快です
終盤はあんまりの欲張り具合に、「え、まだあんの?!」となりましたが、それでも一番の見せ場の盛り上がりが他のシーンとしっかり差別化されているため「結局どういう話だったっけ?」とならずに強烈な印象を植えつけてくれます
しっかり動き、しっかり熱い展開を抑えている、子供から大人まで幅広く楽しめる作品だと思います
さて、もたもたしている間にもう3巻まで出てしまっている・・・
結構一冊一冊が分厚いので気合い入れて読み進めなければ
これ錆び風によって日本の文明一回崩壊してますけど、海外はどうなんですかね?
海外まで被害およんじゃってるのかな?