三角の距離は限りないゼロ 3 感想
どうも、りゃおです
ようやく上着を着るか否かを迷わずに済む気温になってきました
『三角の距離は限りないゼロ 3』の感想です
あらすじ
文化祭実行委員なんて、柄じゃない。でも僕らの関係を変えようとする春珂の願い、春珂を想う秋玻の気持ちから委員として動き始めた僕は、かつての僕を知る庄司霧香と出会う。再会なんてしたくなかった。霧香は僕が別れを告げたはずの「過去の自分」を育てた人だから……。
華やかな文化祭の裏側で、彼女は僕らの恋に隠れた、何より僕が隠した欺瞞をこそ残酷に暴いていく。
もう戻れない僕らの関係。揺さぶられる『僕自身』のあり方。そして、舞台の幕が上がる――。
僕と「二重人格」の彼女たちが紡ぐ、三角関係恋物語。
感想
いつもより派手さのある展開
舞台が文化祭ということもあるのか、今回の盛り上がりは1、2巻とは全く別物でした
特に矢野くんの大立ち回りによる起死回生の一手は予想外かつ納得感のあるもので、とてもワクワクしました
序盤から中盤にかけては春珂や霧香に翻弄されやや鬱々としたものでしたが、この矢野くんのド派手な活躍のおかげでモヤモヤが一気に吹き飛ばされる気持ちのいい展開になりました
主人公による「俺に考えがある」的な展開は大好きです
今回も自分の取るべき行動に悩みに悩んでいる矢野くんですが、一歩ずつ着実に成長している感があります
まだ自身が納得できる答えを見つけられてはいませんが、なよなよとしていたものに芯が通り始めているのであともう少しかなと
カッコよくキメてくれることに期待です
活き活きとしている春珂
2巻最後で爆弾を投げてきた春珂
矢野くんが若干イラ立つほどの猛アタックです
まあ春珂に直接イラ立つというより、別な理由があるのですが・・・
とにかくそれほどの強引さで矢野くんに好いてもらおうとしてきます
なんかここまでくると逆に彼女にカッコよさを感じました
やると決めたからにはとことんやるという、初期の内気で遠慮がちなイメージからは想像もつかないようなアグレッシブな姿勢が新鮮です
そんな強かな面を全面に押し出しつつも初期の頃のような優しい面もしっかりと発揮しており、その豊かな表情がとても魅力的に映りました
圧巻のヒキ
最後の一行の魅力に慄きました
めちゃくちゃかっこいいヒキです
秋玻視点になり、なにやら不穏な雰囲気をただよわせはじめたかと思ったらその不安が現実のものに
「あ~そういう展開?やめてよ~・・・」
と思ったところで最後の一文で
「おおー?!!!」となりました
2巻のときよりも衝撃的だったかもしれません
不安と期待をほぼ同時にこちらに与えてくる見事なヒキでした
今回は春珂が大きな存在感を発揮していたのと対照的に秋玻は一歩引き気味でしたが、次巻は春珂と秋玻が同じ土俵に上がった状態でのやり取りが見られそうです
楽しみです!