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前略、殺し屋カフェで働くことになりました。 感想

ラノベざんまいなGWを満喫しています、りゃおです

『前略、殺し屋カフェで働くことになりました。』の感想です

 

前略、殺し屋カフェで働くことになりました。 (ガガガ文庫)

前略、殺し屋カフェで働くことになりました。 (ガガガ文庫)

 

 

あらすじ

そこは、かわいい殺し屋たちが集う喫茶店

夜の廃劇場。
最近越してきたばかりの街を探索しようとしていた池也迅太は、そこにいた。
そして、目の前でなにやら不穏に倒れている男をみて、そこで記憶はブラックアウト。
目が覚めると、何やらかわいい女の子たちが話しているのが聞こえてきた。

「やっぱり殺すしかないと思うの」
「でも、遺体の処理だってお金がかかりますし……」

あきらかに危険な会話。漂っているコーヒーの香りが不釣り合いだ。
迅太はなんとか命乞いをしようと手を尽くし、処理代を稼ぐ代わりに働かせてくれと頼んだ結果、晴れて殺し屋たちが営む喫茶店のウェイターになってしまう。

店を訪れる明らかに怪しい客たち。
これまでの常識の通じない少女たち。

それでも、これまでとはガラリと代わってしまった環境に、迅太は次第に馴染んでいく。そして、命の猶予は刻一刻と――。

だが、その殺し屋稼業の正体は……?
クセだらけの少女たちと、ただの普通の少年が、不思議な喫茶店で社会の闇に触れるとき物語は少しおかしな方向に動き出す。
殺し屋喫茶・エピタフ開店ですっ!

 

感想

なかなかに痛快な作品でした

平凡な高校生になるはずだった主人公の日常が突如として非凡なものになっていく

しかも一週間後に殺されるという期限付きの中で迅太が裏の仕事に巻き込まれていく物語です


この迅太がただの男子高校生かと思いきや、意外な度胸と機転の良さでギリギリのところでうまく回していく展開がおもしろいです

殺し屋の仕事現場に踏み込んでしまい、あわや殺されるというところで「自分の死体処理代を自分で負担する」というぶっ飛んだ提案により一週間の猶予を得るなんてすごい発想ですね

今までの日常とは異なる人々に翻弄されつつも、ここぞと言うところでしっかりキメる姿がかっこいいです

迅太が料理をするシーンがやたら結構詳しく描写されており、普通においしそうです(笑)

エピタフで働く少女たちの胃袋をがっちり掴んでいます

 

ただ迅太の思考の軸についてあまり説明がなく、彼の魅力である度胸・機転・粘り強さがどこから来るものなのかがイマイチ分からないなという印象を受けました

彼はこんな信条を持っているとか、過去にこんなできごとがあったなどの描写があれば、彼の武器となる長所に説得力が増し、より共感が持てる主人公になると思います


エピタフのメンバーである鉄火たちも個性(というかクセ?)が強いキャラになっています

紙魚子もなにやら過去があるようなので、続巻でそこらへんが言及されていくのが楽しみです

気になったのが、なぜかメインヒロインである鉄火が少し影が薄い感が否めない点です

重要な点ではしっかり登場しているのですが・・・

迅太といっしょにいる時間の長さだと紙魚子が、アクションシーンの共闘では春姫が活躍するなど登場頻度やインパクトの強さで他のキャラの影に隠れてしまっているのかもしれません

まあ今回は迅太がエピタフ内でしか行動できないという制限があるため、紙魚子との絡みの方が多くなるのは仕方ないかもしれませんね

次巻で鉄火がもっと相棒ムーブを取ってくれるのを期待したいです

 

ストーリーは最初から予想外の展開を見せるなど、飽きさせないものになっており面白いです

なのでキャラクター、特に主人公の迅太の内面をもっと深掘りしてくれるとよりキャラクターの魅力溢れる作品になるかなと思いました。

もうすぐ2巻が発売のようなので、楽しみです